【トンバイ塀のある景色】
有田町の裏通り「トンバイ塀通り」
有田町の裏通りには、風情あるスポットが幾つかあります。そのうちのひとつ、トンバイ塀のある裏通りをご案内いたします。狭い裏通りですが、地元の車がスイスイ入ってくることもありますので、どうぞお気を付けください。
これは、有田でしか見ることができないものです。お隣の福岡県の博多には博多塀という塀があります(下段写真)が、これは戦乱で荒れ放題になった町の残骸を豊臣秀吉が再利用するように命じて作られたものです。
一方トンバイ塀は江戸時代、窯に使われていた耐火煉瓦を赤土に埋め込んで作られています。トンバイとはこのレンガを指します。
トンバイとは何?
トンバイとは耐火煉瓦のことです。耐火煉瓦とはいえ、高温にさらされて耐用年数は10数年で、ボロボロになった窯は壊されます。その時にでたレンガ、窯の道具などを一緒に埋め込んでリサイクル(再利用)します。
実は、この塀の役割は、窯元の技術を覗かれないための目隠しでした。つまり、トンバイ塀は、リサイクルと同時に秘密保持の役割を果たしていたのでした。本来は2メートルほどの高さだったのですが、昭和の時代に通路が高くなり、塀が本来の高さより低くなったのです。
トンバイ塀は登り窯の産物
窯焚きは1300度で40~45時間かかり、800~1000束の薪が必要です。現在はほぼガスや電気の窯が使われているので、薪を使って窯を焚くのは特定の窯で特別な場合に限られています。
ところでこのトンバイ塀、内山地区にあるものを合わせると全長900mほどです。1828年にこの地区は大火事があり地区ごと全焼してしまったので、古文書が残っておらず、トンバイ塀の歴史は詳しくわかりませんが、大火事以降に建てたられたものがほとんどです。画像のベンチの辺りはインスタスポットとして有名で、外国の方からもsustainable, beautiful!と好評です。
この塀、じっと見ていると美味しそうに見えてきませんか?佐賀には「トンバイ塀」というお菓子★もあります。